こんにちは、平本です。
この度は、住宅の省エネ性能についてのお話となります。
省エネルギー住宅を実現するためには、断熱、日射遮蔽、気密の3つが対策の柱となります。
断熱
断熱とは、壁、床、屋根、窓などを通しての住宅の内外の熱の移動を少なくすることです。
冬、暖房を行っていると、外気と比較して室内の温度が高くなるので、熱は室内から室外に移動します。
夏、冷房を行っていると、外気に対して室内の温度が低くなるので、熱は室外から室内に移動します。
この移動をなるべく減らすことにより、少ないエネルギーで効率よく暖冷房を行うことができます。
住宅の断熱性能は、「外皮平均熱貫流率」(UA値)で示されます。
住宅の外皮(床、壁、窓など外気と接している各部位)から逃げる熱損失を合計し、
外皮面積で割って求めます。数値が小さいほど省エネ性能が優れています。
日射
夏に室内の温度が上がる最も大きな要因が、外部からの日射熱です。
そのため、夏は、日射を遮蔽し、室温の上昇を抑えることで、冷房に必要なエネルギーを削減する必要があります。
住宅の日射遮蔽性能は、「冷房期の平均日射熱取得率」(ηAC(イータエーシー)値)で示します。
入射する日射量に対する室内に侵入する日射量の割合を、外皮全体で平均した値をいいます。
数値が小さいほど省エネ性能が優れています。
気密
住宅に隙間があると、その隙間を通じて空気が出入りすることで熱が室内外で移動します。
この空気の移動による熱の移動を少なくするために隙間を減らすのが気密対策です。
ただし、気密性能だけを強化すると室内環境が悪化しますので、必要な換気量を確保しつつ、
過剰な空気の移動を減らすことが重要です。
住宅計画の際、住宅の省エネ性能を意識して建築した時のメリット。
・窓を閉鎖して生活する時期、冬と夏の生活がかわります。消費電力を抑えて快適な住環境となります。
・住宅に関する月々の支出について「住宅ローン+ランニングコスト」を意識して行くことが重要です。
省エネ性能を意識して建築した場合、住み始めてからのランニングコストを大幅に抑えることが可能となり、
固定費(住宅ローン以外の月々支払い)を大幅に削減できます。
・ヒートショック防止。ヒートショック(脳梗塞、心筋梗塞など)による事故は交通事故の4倍とされています。
省エネ性能を意識して建築した場合、住宅が魔法瓶のような保温力となり、
居室間の温度差を軽減でき事故防止策として有効かと思われます。
※住宅性能評価(設計性能評価、建設性能評価)は2種類あります。
数値で確認する事が可能となり、末永く安心して暮らすことができる住宅である証明になります。